(1) 国別報告書とは

国別報告書とは、多国籍企業グループの各法人に関し、所在国ごとの収入金額、税引前当期純利益、法人税納付額等に関する情報を報告させるものです。

(2) 作成義務者

① 原則:条約方式
最終親会社等及び代理親会社等が外国に所在する場合には、当該最終親会社等又は代理親会社等が居住地国の税務当局に提出した国別報告事項に相当する情報が当該外国の税務当局から日本の国税当局に提供されるため、原則として特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人及び恒久的施設を有する外国法人には国別報告事項の提供義務が生じません。
② 例外:子会社方式
例外として、最終親会社等(代理親会社等を指定した場合には、代理親会社等)の居住地国の税務当局が国別報告事項に相当する情報の提供を我が国に対して行うことができないと認められる次の(イ)~(ハ)の場合に該当するときは、特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人(最終親会社等又は代理親会社等に該当するものを除きます。)又は恒久的施設を有する外国法人は、国別報告事項を、報告対象となる会計年度の終了の日から1年以内に、所轄税務署長に提供する必要があります。
(イ) 最終親会社等(代理親会社等を指定した場合には代理親会社等。以下、(ロ)・(ハ)において同じ。)の居住地国(租税条約等の相手国等に限ります。下記、(ロ)・(ハ)において同じ。)において、最終親会社会計年度に係る国別報告事項に相当する事項の提供を求めるために必要な措置が講じられていない場合
(ロ) 財務大臣と最終親会社等の居住地国の権限ある当局との間の当局間合意がない場合
(ハ) 最終親会計年度の終了の日において、最終親会社等の居住地国が、我が国が行う国別報告事項の提供に相当する情報の提供を我が国に対して行うことができない場合

(3) 提出期限

最終親会社会計年度終了の日の翌日から1年以内に所轄税務署長に提供することとされています。

(4) 適用除外基準

直前の最終親会社会計年度の総収入金額が1,000億円未満の多国籍企業グループについては、その提供が免除されることとなります。
ここで、総収入金額とは、多国籍企業グループの連結財務諸表における売上金額、収入金額その他の収益の額の合計額(連結財務諸表がない場合には、多国籍グループの財産及び損益の状況を明らかにした書類に基づいて計算した金額)をいいます。
したがって、例えば、売上高のみならず、受取利息や有価証券利息、受取配当金や固定資産売却益等の特別利益項目も対象となり、連結財務諸表上の全ての収益項目が対象となります。
なお、多国籍グループの連結財務諸表の金額が外貨表示されている場合には、最終親会社会計年度終了の日のTTMにより円換算を行うこととなります。

(5) 文書の保存期間

特に定めはありません。

(6) その他留意事項

e-taxによる提出が義務付けられているため、書面での提出を行うことはできません。また、正当な理由なく提出期限までに国別報告書を提出しなかった場合には、30万円以下の罰金が科されます。

 

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