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(1) マスターファイル(事業概況報告書)とは

マスターファイルとは、税務当局が重要な移転価格リスクを特定できるように、グループ全体の組織や事業の概要等について記載するもので、特定多国籍企業グループの組織構造、事業の概要、財務状況その他の措規第22 条の10 の5第1項各号に掲げる下記のような事項を記載する必要があります。

  1. 企業グループの組織構造
  2. 企業の行う事業の説明
  3. 企業の保有する無形資産
  4. 企業グループ間の金融活動
  5. 企業の財務状況及び納税状況

(2) 作成義務者

特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人又は恒久的施設を有する外国法人とされます。

(3) 提出期限

最終親会社会計年度終了の日の翌日から1年以内にe-Taxにより所轄税務署長に提供することとされています。

(4) 適用除外基準

直前の最終親会社会計年度の総収入金額が1,000億円未満の多国籍企業グループについては、その提供が免除されることとなります。

ここでいう総収入金額とは、多国籍企業グループの連結財務諸表における売上金額、収入金額その他の収益の額の合計額(連結財務諸表がない場合には、多国籍グループの財産及び損益の状況を明らかにした書類に基づいて計算した金額)をいいます。

したがって、例えば、売上高のみならず、受取利息や有価証券利息、受取配当金や固定資産売却益等の特別利益項目も対象となり、連結財務諸表上の全ての収益項目が対象となります。

なお、多国籍グループの連結財務諸表の金額が外貨表示されている場合には、最終親会社会計年度終了の日のTTMにより円換算を行うこととなります。

(5) 文書の保存期間

特に定めはありません。

(6) その他留意事項

e-taxによる提出が義務付けられているため、書面での提出を行うことはできません。また、正当な理由なく提出期限までにマスターファイルを提出しなかった場合には、30万円以下の罰金が科されます。

 

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