概要

法人税の計算上、寄附金(寄付金)は支出した際に認識することとなります。

手形の振出、または、クレジットカードで支払った場合、いつ寄附金を認識するか疑問が生じることとなります。

今回は、手形の振出、または、クレジットカードで支払った場合についての解説を行いたいと思います。

Question

手形を振り出して寄附金の支払いを行いました。
また、クレジットカード決済により寄附金の支払いを行いました。
手形の決済、クレジットカードの支払いは翌期です。
この場合の法人税上取扱いを教えてください。

Answer

(1)手形の振り出しの取扱いについて

①結論
手形の決済が行われる翌期において、税務上、寄附金を認識すると考えられます。

②理由
寄附金の支出は、法人税上はその支払がされるまでの間なかったものとするとされております。
そのため、法人税上において寄附金を認識するのは、経理方法を問わずに、実際に金銭等により支出が行われた時とされております。
いわゆる現金主義といわれる考え方で発生を認識されます。

手形の振り出しは現実の支払いに該当しないことから、寄附金を手形により支払った場合には、その手形の決済が行われた事業年度の寄附金の支出として取扱っていくこととなります。

(2)クレジットカード決済の取扱いについて

①結論
クレジットカードの決済が行われた事業年度において寄附金を認識すると考えられます。

②理由
クレジットカードにより寄附金を支払った場合には、口座から引き落とされるタイミングで寄附金を認識するのではなく、クレジットカードの決済が行われた時点で寄附金を認識することになります。
これは、その寄附資金は法人の管理からカード決済時点において離れることとなるため、手形等の振り出しや通常の未払経理とは異なるものであることから、カード決済時点で寄附金を認識することになります。

(3)寄附金課税が現金主義により行われる理由

寄附はその行為を行う者の意思により行われるものであり、請求書等の発行はされないのが通常であるでしょう。
また、民法上は、寄附は贈与に該当すると考えられますが、書面によらない贈与は履行される前のものについては、いつでも撤回することができるとされております。
すなわち、未払いの寄附金は債務として成立しているものでないと考えられます。
この様な不安定な状態のものについて、損金算入や課税を行うことは適当でないと考えられること、また未払経理等を活用することにより損金算入限度額を調整することができることとなることから、この様な状態を防ぐ目的で寄附金課税は現金主義を採用していると考えられます。

【参考法令等】

法人税法37条①
法人税法施行令78条
法人税法基本通達9-4-2の3、9-4-2の4

 

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