概要

機械装置などの資産を購入する際、市場価格より高い値段で購入するケースがあるでしょう。

このような場合、法人税の計算上、市場価格と購入金額との差額は寄付金として取り扱うべきものになるかどうか、このページにおいて解説したいと思います。

Question

当期において機械装置を購入しました。
知人より購入を行い、代金は市場価格より高い値段を支払いました。
市場価格との差は、そのまま固定資産の取得価額となるのでしょうか。

Answer

(1)結論

市場価格と代金との差額は寄附金として取り扱われることが考えられます。
この場合、一般寄附金として取り扱われることになるかと考えられます。
ただし、実務上を考えると、第三者との取引である場合には、市場価格と実際の代金が極端に乖離をしていなければ寄附金を認識しなくてもよいかと考えられます。

(2)内容

①概要
 法人税上、その取引価額が時価と乖離している場合には、原則的には、その差額を寄附金・受贈益として認識していきます。
 しかし、第三者との取引である場合には、契約自由の原則から、常にその取引価額が市場価格と乖離しているケースもあるでしょう。
 その乖離している理由が、売り買いを急いていたり、希少なものである場合等の経済的な合理性が存在する場合には、寄附金課税の問題は生じないと考えられます。
 また、この様な経済的な合理性が存在しない場合でも、第三者との取引である場合には、市場価格と実際の代金が極端に乖離をしていなければ、寄附金課税の問題は生じないと考えられます。
 そのため、ご質問のケースについては、市場価格と実際の代金が極端に乖離をしていなければ寄附金を認識する必要はないと考えられます。

 基本的に寄附金課税の問題が生じない様に注意すべき取引は、親子会社間や関係会社間との取引などの金額を恣意的に設定することができる様な関係性にある者との取引になると考えられます。

②時価について
 時価とは一般的には「その取引時において、不特定多数の当事者間で自由に市場において取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」を言います。
 そのため、証券市場が存在する株式等の時価は、その取引時の株式市場の価額になるでしょう。
 法人税上、時価の明確な規定はありませんが、この考え方とほとんど同じものになります。

 税法上、唯一時価が定義されているのは相続税財産評価基本通達になります。 

<財産評価基本通達1(2)>
  財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。

 この様に時価は定義されておりますが、複雑でわかりにくいものになります。

 また、時価が一つしかないというとそうではなく、例えば金の市場は世界中に存在して、その市場ごとに金額が形成されております。
 建物等を売買する際は、不動産鑑定士に鑑定を依頼することも一つの手でしょう。
 時価の算定方法は様々な方法が存在することから、時価を使用する場面に遭遇した場合には、後日行われる税務調査において指摘を受けない様に、慎重に検討を行なっておく必要があります。

③まとめ
 第三者との取引において、理由なく、取引金額と時価が乖離している場合には、寄附金課税の検討を行う必要があるでしょう。
 しかし、取引金額を恣意的に設定することにより利益操作することを防止するためのものであることから、寄附金課税の問題は、基本的には親子会社間、関係会社間での取引に対するものと言ってもいいものになると思います。

【参考法令等】

法人税法37条

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加