概要

法人税の計算上、寄附金(寄付金)に該当する支出がある場合、その支出のうち一定の金額については損金の額に算入されないこととされています。

今回はどのような支出が寄附金に該当するか解説を行います。

Question

法人税法上の寄附金(寄付金)について教えてください。

Answer

法人税上の寄附金とは、「寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝費等一定のものを除く)をした場合における、その金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額」をいうとされています。
また、「資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額に比して低いときは、当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額」についても寄附金に該当するとされています。
このように、法人税における寄附金は、民法上の贈与にがぎっておらず、通常の寄附金の概念より広いものとなっております。
例えば、本来子会社が負担すべき費用について、親会社が負担を行なっていた場合には、その負担すべき費用の額は親会社から子会社に対する寄附金に該当することとなり、子会社においては受贈益を認識する必要があります。
(なお、法人による完全支配関係がある場合には、親会社において寄附金とされる金額については全額損金不算入となり、子会社において受贈益とされる金額については全額益金不算入となります。)

法人税法において寄附金は下記の4種類に区分されることとなります。
 (1)国又は地方公共団体に対する寄附金
 (2)財務大臣が指定した寄附金
 (3)特定公益増進法人に対する寄附金
 (4)一般の寄附金

「(1)国又は地方公共団体に対する寄附金」と「(2)財務大臣が指定した寄附金」については、その支出した事業年度において全額損金の額に算入されることとなります。
「(3)特定公益増進法人等に対する寄附金」と「(4)一般の寄附金」については、その支出した金額のうち一定の限度額の範囲内の金額のみ損金の額に算入されることとなります。
すなわち、「(3)特定公益増進法人等に対する寄附金」と「(4)一般の寄附金」に該当する寄附金については、損金算入に制限が設けられていることになります。

それぞれの寄附金の内容は下記の通りになります。
 (1)国又は地方公共団体に対する寄附金
  「国又は地方公共団体に対する寄附金」とは、直接、国や都道府県、市区町村に対して寄附するものがこれに該当します。
  また、災害時に被災者のために日本赤十字社、新聞・放送等の報道機関等が募集する義援金等のうち、最終的に義援金配分委員会等に対して拠出されることが募金趣意書等において明らかにされているものである場合には、これに該当するとされるするとされています。 

 (2)財務大臣が指定した寄附金
  「財務大臣が指定した寄附金」とは、公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人等に対する寄附金のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして政令で定めるところにより財務大臣が指定したものがこれに該当します。
   ①広く一般に募集されること。
   ②教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること。

 (3)特定公益増進法人に対する寄附金
  「特定公益増進法人に対する寄附金」とは、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとしてその法人の主たる目的である業務に関連する寄附金は、これに該当します。

 (4)一般の寄附金
   「一般の寄附金」とは、上記の3つに該当しない寄附金をいいます。

【参考法令等】

法人税法25条の2①、37条②③⑦⑧
法人税法基本通達9-4-6

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加