fbpx

英国VAT(付加価値税)の概要を教えてください。

英国VAT(付加価値税)日本の消費税計算の際の留意点と同様に、課税対象取引と非課税対象取引等の区別を適切に行うことが重要なポイントの一つです。
また、課税対象取引は、標準税率、軽減税率、ゼロ税率の3つのカテゴリに区分されます。

(1) 納税義務者

課税対象事業者は、実際にVAT(付加価値税)登録をしている者、又は登録する義務がある者をいい、基準売上高が最低限度(2017年4月1日以降、VAT登録の基準売上高はGBP 85,000)を超える者をいいます。
なお、VAT登録者が複数の事業を営んでいる場合には、VAT登録を一度行えば、登録者が営む全ての事業がそれに含まれることとなります。

(2) 課税対象

VAT(付加価値税)の課税対象は以下の取引です。

・課税事業者による英国国内における物品・サービスの供給
・EU域外からの物品の輸入(輸入者のVATステータスは関係なし)
・課税事業者による他のEU加盟国からの物品の域内輸入
・英国の課税事業者が提供を受けるリバースチャージサービス

なお、VAT(付加価値税)の取扱いにおいて、英国とはグレートブリテン本国、マン島、北アイルランドをいうため、その他の地域は含みません(海峡諸島、ジブラルタル等)

VAT登録事業者は、課税対象取引の売上に対して適切な税率によるVATをチャージする必要があり、VTA標準税率は20%ですが、一定の取引には異なる税率(下記(3)参照)が適用されます。
そして、VAT登録事業者は、他のVAT登録事業者から仕入れた課税対象取引に係るVATの控除・還付請求を行うことができます。

また、一定の非課税取引を行う事業者は控除・還付の金額に制限が課される場合がありますが、非課税の取扱いとな物品及びサービスを供給する事業者は、その販売に対してアウトプットVATを課す必要はありません。
そしてこの場合、非課税取引であることから、当該取引のための仕入費用についてはインプットVATを控除することができません。

<非課税となる物品及びサービス例>
教育、居住用の土地建物の販売又は賃貸、金融及び保険サービス、賭博

(3) VAT税率

VAT(付加価値税)が課される場合の税率は、以下の通り、標準税率、軽減税率、ゼロ税率の3つのカテゴリに区分されます。

① 標準税率:20%
以下②③以外の課税対象資産及びサービス提供により生じるものをいいます。

② 軽減税率:5%
軽減税率が適用される物品及びサービスの提供に対しては、その販売に対して5%のVATを課す必要があります。
なお、軽減税率が適用されるのは課税取引であるため、当該取引のための仕入費用についてはインプットVATを控除することができます。

<軽減税率が適用される物品及びサービス例>
住宅改築、家庭用燃料及び電気、電力、チャイルドシート等

③ ゼロ税率:0%
ゼロレートが適用される物品及びサービスの提供に対しては、その販売に対して0%のVATを課す必要があります。
なお、ゼロ税率が適用される場合であっても、それは課税取引であるため、当該取引のための仕入費用についてはインプットVATを控除することができます。

<ゼロ税率が適用される物品及びサービス例>
子供用衣服、医薬品、新築住宅、書籍や新聞、一部の食料品、運送サービス、物品及び関連サービスの輸出等

  • このエントリーをはてなブックマークに追加