EU親子会社間の配当に関する共通課税指令について教えてください。

親子会社指令は、子会社から親会社への配当その他の利益分配に関して、源泉税を免除し、親会社レベルでの配当等への二重課税を排除する等を行い、国内のグループ会社とEUのグループ会社との間の課税の不均衡の解消を目的とし採択されたものです。

(1) 概要

親子会社指令は、子会社から親会社への配当その他の利益分配に関して、源泉税を免除し、親会社レベルでの配当等への二重課税を排除する等を行い、国内のグループ会社とEUのグループ会社との間の課税の不均衡の解消を目的とし採択されたものです。
そして、本改正に付随して、欧州委員会は、以下の声明を公表しております。
①当該改正は、利益分配に対する各加盟国間の課税上の取扱いのミスマッチによる意図しない税務便益により、二重非課税が生じる場合に適用されるものであること
②当該改正は、利益分配について、親子会社間で二重非課税にならない場合、また、その適用により二重課税になる場合には適用されないこと
③以上の①、②の状況を踏まえ、当該改正は、EU加盟国に、直接税に関する将来的な法改正を強制することは強要しないこと

(2) 適用対象法人

下記の3つの要件を満たす法人が親子会社指令の適用対象法人になります。
① 同指令に規定された一定の事業体であること
② 税務上、いずれかの加盟国の居住者に該当し、非加盟国との租税条約の規定上、非加盟国の居住者に該当しないこと
③ 原則として、同指令に規定する一定の課税の対象となること
なお、各加盟国の法人は、通常、上記要件を充足すると考えられます。

(3) 持株要件

親会社が、子会社の発行済株式の10%以上を保有することが要件となります。
ただし、EU加盟国は、二国間での取り決めにおいて議決権の10%以上を保有することを要件することも許容されており、また、2年を超えない範囲での保有期間要件を課すことも認められています。

(4) 親会社レベルでの配当課税

親会社が子会社から受ける配当分配は、原則として、配当免税又は間接外国税額控除の対象となります。

(5) 租税回避防止条約

これまで、各社ともにタックスプランニングの一環として同制度を活用した取り組みを行ってきましたが、一部の事業者による租税回避行為に同制度が利用されているとの背景から、2013年11月に、欧州委員会より、租税回避防止を目的とした親子会社間指令の改正に関する提案が行われました(2016年より適用開始)。
同改正の内容は以下の通りです。
① 一般的租税回避防止規定を導入し、EU加盟国に、租税回避を目的とした同制度を利用した取引を否定し、実態に即した課税を行うことを可能とすること
② 子会社のEU加盟国で損金算入されている親会社への支払いについては、親会社で課税を行い、グループ間の支払いに関して、二重課税が起こらないようにすること

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