概要

不動産の売買において、売主が買主に対して未経過の固定資産税を精算することは慣例として定着していますが、この未経過固定資産税を固定資産の取得価額に含めるか否かについて疑問が生じると思われます。
今回は、この未経過固定資産税の取扱いについてについて解説を行いたいと思います。

当社は当期の10月において土地を購入しました。
その際に土地の購入しようとは別に未経過固定資産税の精算金を支払いしました。
この未経過固定資産税の取扱いを教えてください。

ご質問の未経過固定資産税の精算金は土地の取得価額に含める必要があり、損金の額に算入することはできないと考えられます。

(1)土地の取得価額について

土地の取得価額の取扱いは法人税法・法人税法施行令において明記されていませんが、非減価償却資産の取得価額は法人税法基本通達7−3−16の2において通常の減価償却資産の取扱いと例によると明記されています。
そのため、土地を購入した場合の取得価額は下記の通りになると考えられます。

<土地の取得価額>
資産の購入代価 + 購入のために要した費用 + 事業の用に供するために直接要した費用

ただし、下記の①から③までのような費用については、たとえ土地の取得価額に取得に関するものであったとしても、その土地の取得価額に算入せずに、損金の額に算入することができるとされています。

①下記のような租税公課等の額
(イ)不動産取得税又は自動車取得税
(ロ)特別土地保有税のうち土地の取得に対して課されるもの
(ハ)新増設に係る事業所税
(ニ)登録免許税その他登記又は登録のために要する費用
②建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用の額
③一旦締結した固定資産の取得に関する契約を解除して他の固定資産を取得することとした場合に支出する違約金の額

(2)未経過固定資産税精算金の取扱いについて

ご質問の未経過固定資産税精算金は、土地の取得価額に含める必要があると考えられます。
固定資産税は、その年の1月1日に固定資産税の所有者に課税されるもので、固定資産税の納税義務者はあくまで前所有者であり、貴社ではないと考えられます。
そのため、ご質問の未経過固定資産税精算金は「固定資産税」ではなく、あくまで「固定資産税に相当する支払い」であるとしか言えず、売買金額を調整している支払いであることから土地の購入のために要した費用として土地の取得価額を構成すべき支払いに該当すると考えられます。

【参考法令等】

法人税法施行令54条
法人税法基本通達7−3−16の2

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