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概要

外国子会社から配当を受け取る場合、一定の要件を満たすときは、その受取額の95%相当額は益金の額に算入しなくてよいとされています。

今回は、この「外国子会社配当等益気不算入制度」についての解説を行います。

Question

外国子会社から受ける受取配当金の益金不算入制度の概要を教えてください。

Answer

(1)概要

内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の金額については、その内国法人の所得の計算上、その剰余金の配当等の額からその剰余金の配当等の額の5%相当額を控除した金額を益金の額に算入しないこととされております。
この規定は、日本親会社が一定の外国子会社から受ける配当を益金不算入とする規定であり、外国子会社の利益を日本国内へ還流を促進する観点から設けられている規定になります。
5%相当額が益金に算入される理由は、簡便的に一律に5%をみなし費用として除外しているものになります。

(2)益金不算入額の計算方法

外国子会社配当益金不算入制度により益金の額に算入しないこととする金額は、下記の算式により計算することとされています。
外国子会社からの配当等の額(源泉税控除前の総額) – 外国子会社からの配当等の額(源泉税控除前の総額)× 5% = 益金不算入額

(3)適用対象外の配当について

下記の配当についてはこの規定の適用はなく、全額益金の額に算入されることとされています。
 ①外国子会社の所在する国等の法令において、その外国子会社の課税所得の計算上、損金の額に算入することとされている配当等
 ②自己株式として取得が予定されている株式につき、自己株式として取得された時に生じるみなし配当

(4)外国子会社とは

外国子会社とは、以下2つの要件を満たす外国法人です。
①発行済株式等※の25%以上保有している
②保有期間が配当支払義務確定日以前6ヵ月以上継続している
発行済株式の総数又は議決権のある株式にて判定します。
※発行済株式の総数又は議決権のある株式にて判定します。そのため、いずれかによりこれを満たすと外国子会社の要件を満たすことになります。

なお、その外国子会社が新設法人である場合には、その設立の日から配当の支払義務が確定する日まで、25%以上の株式等を継続保有されていれば、②の6ヵ月判定の要件を満たすことになります。

また、租税条約において緩和条項があることがあり、上記要件を満たさない場合においても、外国子会社に該当することがあるため、外国子会社が所在する国との間で締結されている租税条約を確認する必要があります。

https://www.manatechjp.com/dividend-5/

(5)源泉税の取り扱い

外国子会社から受け取る剰余金の配当等について、外国において源泉税を徴収されているケースがございます。
外国子会社益金不算入の適用を受ける場合、適用を受ける配当金に対応する外国源泉税については、損金の額に算入されないこととされておりますので、ご注意ください。
なお、外国税額控除の適用もありません。

【参考法令等】

法人税法23条の2、39条の2
法人税法施行令22条の4、142条の2⑦三

 

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