概要
所得税は10個の所得に区分して計算されるものになります。また、その区分ごとに所得金額の計算方法なども異なります。
今回は山林所得について解説を行います。
Question
山林所得の概要(定義、所得の計算方法、課税方法)を教えてください。
Answer
(1)山林所得の定義
山林所得とは「保有期間(取得日から譲渡日までの期間)が5年を超える山林の譲渡による所得」をいいます。
ただし、山林を取得してから5年以内に伐採又は譲渡した場合は、山林所得ではなく、事業所得又は雑所得となります。
また、山林を山ごと譲渡する場合には、土地に係る部分については譲渡所得に該当することになります。
(2)所得の計算方法
山林所得の金額は下記の算式により計算することとされています。
総収入金額 – 必要経費 – 特別控除額 (50万円)= 山林所得の金額
なお、その山林の譲渡等の15年前の12月31日よりも前からその譲渡等を行なった山林を所有していた場合には、収入金額から譲渡費用を引いた金額の50%に、さらに譲渡費用をプラスした金額を必要経費として控除することができます(いわゆる、概算経費控除と呼ばれるものになります)。
(3)課税方法
山林所得は、他の所得と合算されず、分離課税とされ、超過累進税率により所得税が課税されます。税額計算方法は以下のとおりです。
(山林所得の金額 ÷ 5 × 税率※) × 5 = 税額
※ここでいう税率は超過累進税率ですが、山林所得の金額を5で割った金額により税率を判定することになります。
これは、通常山林は長期間に渡って育成を行うことから、その山林の売却にあたっては税額があまりかからないよう、「分離5分5乗課税方式」がとられています。
【参考法令等】
所得税法32条