Question

海外税務の具体的な内容や移転価格税制との関連性を教えてください。

Answer

(1)国際税務とは

国際的にビジネススピードが日々加速しており、大企業のみならず中小企業もグローバルな舞台で活躍して競争力を上げていなかければならない時代となりました。
しかし、商慣習や会計・税務ルールの違い等の理由が海外進出の大きなハードルとなっていおります。
特に、会計基準については、IFRSの導入によるグローバルスタンダードでの対応が可能になる傾向がある一方で、税務については、各国独自が法令を制定しているため国ごとでルールが異なります。
税務問題に関しては、各国の会計・税務事務所とのネットワークを利用して、進出先で必要な情報の提供、実際に海外進出する際の方法に関する総合サービスなどを受けなければ海外進出は難しい状況です。
なお、国際税務サービスを行える事務所というのは、通常、世界各国に提携事務所を有している会社のみですので、実質的にはBig4又はそれに準じる規模の会社の独占市場となっております。

(2)国際税務の範疇

一般的に、日本で国際税務という場合には、日本に所在する内国法人が海外へ進出する場合に進出先国で生じる各国の税務をいいます。
ここで、「内国法人」とは、日本国内に本店または主たる事務所を有する法人のことで、対義語としての「外国法人」とは、内国法人以外の法人をいいます。
よって、例えば、イギリスのとある上場会社が有する日本にある子会社は、あくまで日本の法令に基づいて日本で設立されている限り日本の税務上は日本の「内国法人」となりますので、当該日本子会社が海外進出を行う場合には、国際税務の範疇となります。
ただし、この場合には、イギリスの親会社がイギリスのBig4オフィス等に依頼して、親会社の観点から全日本も含む世界的な視点で税務上の検討を行うケースが多いものと考えられます。

(3)国際税務の具体的な内容

例えば、国際税務業務には以下のような業務が挙げられます。
・海外進出に伴う海外支店・子会社の設置等に関する税務アドバイス
・M&Aに伴う買収ストラクチャーに係るアドバイス
・グローバルの視点での税務務戦略策定アドバイス
・海外持株/統括会社の設立に関するアドバイス
・タックスヘイブン対策税制対策/外国税額控除プランニング
・その他の海外税務アドバイス(租税条約の取扱い、外国子会社合算税制、源泉税、PE認定課税等)

(4) 移転価格税制との関連性

移転価格税制とは、グループ間取引においては、グループ企業以外の第三者との取引で設定される対価とは異なる対価が設定される傾向にありますので、海外の関連企業との取引価格が第三者間の取引価格と異なると認められる場合に、それらの取引が第三者間の取引価格で行われたものとみなして課税される税制です。
移転価格については、海外に既に進出している企業が国外関連企業と新規取引を行う場合や、現地子会社を設立して新規で国外関連企業と取引を開始するような場合に特に留意が必要なものですので、国際税務と非常に関連性が高く、Big4事務所では国際税務の専門家と移転価格の専門家が協業して業務を提供することも多いです。

【参考法令等】

法人税法2条4号

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