Question

7歳の息子の歯並びが悪く、このまま放っておくと成長過程で影響を及ぼす可能性があるとの医師の指摘があり、歯の矯正治療を行い、総額約100万円を支出しましたが、この約100万円は、医療費控除の対象となりますか。
また、例えば、大人でも、矯正費用は医療費控除の対象となりますか。

Answer

(1) 基本的な考え方

所得税法基本通達73-4において、健康診断及び美容整形手術のための費用として、いわゆる人間ドックその他の健康診断のための費用及び容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費に該当しないとされています(ただし、健康診断により重大な疾病が発見され、かつ、当該診断に引き続きその疾病の治療をした場合には、当該健康診断のための費用も医療費に該当するものとされます)。
したがって、通常、矯正歯科治療の治療費は健康保険の適用が無く自費診療として扱われ基本的には医療費控除の対象にもなりません。

(2) 発育途中の子供が行う矯正治療

子供の成長期において歯を矯正することで身体構造の正常化を図るような場合には(ましてや、医師からの将来的な身体への影響も示唆されている場合)、その金額が一般的なものに比して著しく高いような場合を除き、医療費控除の対象となると考えられます。
したがって、ご質問のケースでは、子供の歯の矯正費用として支出した約100万円が治療内容に比して著しく高額ものである場合を除き、通常は医療費控除の対象となるものと考えられます。
一方、大人による美容科を目的とした矯正費用については、通常は医療費控除の対象にはならないものと考えられます。

(3) 年齢制限

矯正歯科治療に係る年齢要件には何才までであれば医療費控除として認められるという、明確な基準値は設けられておりません。
通常、中学生くらいまでの矯正治療は子供の矯正と扱われるものと考えられますが、その判断指針が示されているものではありませんので、その支出が医療費控除に該当するか否かについては、税理士等にご相談いただければと思います。

(4) 治療費をローンやクレジットによって支払う場合の医療費控除年度

歯科ローンは、患者が支払うべき治療費を信販会社が立替払を行い、その立替分について、患者が分割で信販会社に返済していくもの仕組みです。
したがって、信販会社が立替払をした金額は、その患者のその立替払をした年(歯科ローン契約が成立した時)の医療費控除の対象になります。
なお、歯科ローンを利用した場合には、患者の手もとに歯科医の領収書がない場合もあると考えられますが、この場合には、医療費控除を受けるときの支出を証明する書類として、歯科ローンの契約書の写しや信販会社の領収書を添付すれば、必要書類として足りるものと考えられます。
なお、歯科ローンに係る金利及び手数料相当分は医療費控除の対象になりませんので、ご留意ください。

【参考法令等】

所得税法73条

所得税法基本通達73-4

 

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