Question

当社は2年前に子会社化を行ったA社について、従来行なっていた事業の経営成績が悪化していたことから、新規事業の立ち上げを行うこととしました。
その事業の立ち上げに際して、2億円の増資を行いました。
新規事業の立ち上げに伴い、旧事業 (リーズ業)を廃止することが決定しています。
増資を行うタイミングにおいて、A社は青色欠損金を1,000万円有しておりましたが、この青色欠損金は、今後A社が行う新規事業の利益から控除することができるのでしょうか。
なお、A社の特定支配関係が発生する事業年度の前事業年度における旧事業年度の売上金額は3,000万円でした。

Answer

A社が有している欠損金のうち、増資があった事業年度前の欠損金については、欠損金の繰越控除の規定の適用はありません。
A社は当社による特定支配後5年以内にA社がもともと行っていた事業の廃止し、かつ、A社の事業規模の5倍を超える資金借入れ等※を行っていることから、「適用事由」に該当します。
そのため、A社が有している欠損金のうち、増資があった事業年度前の欠損金については、欠損金の繰越控除の規定の適用はありません。

※資金借入れ等とは、資金の借入又は出資による金銭その他の資産の受入を行うことを言います。(合併又は分割による資産の受入を含む)
ただし、次に掲げるものについては、資金借入れ等に含まないとされています。
(1)資金借入れ等による資産のおおむね全部が欠損当法人の債務弁済に充てられることが明らかなもの
(2)欠損当法人がその債権者から受ける自己債権の現物出資

なお、事業規模とは、事業の区分に応じて、売上金額、収入金額による金額とされており、具体的には下記に掲げる事業の区分に応じてそれぞれに定める金額とされます。
(2以上の事業を営んでいる場合には、それぞれの事業の区分に応じてそれぞれに定める金額の合計額とされます。)
(1)資産の譲渡を主な内容とする事業
事業規模算定期間における資産の譲渡収益額

(2)資産の貸付けを主な内容とする事業
事業規模算定期間における資産の貸付収益額

(3)役務の提供を主な内容とする事業
事業規模算定期間における役務提供収益額

なお、事業規模算定期間とは支配日直前事業年度、又は、支配直前事業年度を言います。
また、これらの事業年度が1年に満たない場合には年換算を行う必要がございます。

【参考法令等】

法人税法57条の2①
法人税法施行令113条の11項、15

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