当社は大法人に該当していますが、減資することにより中小法人に区分を変更しようと思っています。このように減資をすることにより中小法人になった場合、大法人時代の青色欠損金についても「繰越控除前の所得金額100%相当額」控除することは可能でしょうか?

大法人時代の青色欠損金についても「繰越控除前の所得金額100%相当額」控除することができると考えられます。

(1)解説

欠損金とは、その事業年度における損金の額が益金の額を超える場合のその超える部分の金額をいいます。
つまり、法人税を計算する際に使用される課税所得がマイナスである状態をいうことになります。
青色申告書を提出する承認を受けている法人である場合において、一定の要件を満たしている時は、その青色欠損金を繰り越して翌期以降の損金の額に算入できるようになっています。

中小法人等に該当する場合、損金の額に算入することができる青色欠損金の金額は「繰越控除前の所得金額の100%相当額」となっております。しかし、大法人である場合の損金の額に算入することができる青色欠損金の金額は「繰越控除前の所得金額の50%相当額」とされています。
ご質問のケースのように、大法人から中小法人に区分が変更された場合の取り扱いについて疑問が生じると思われます。
繰越控除額の制限を受けるのは、その事業年度の終了の時において大法人である場合のみであり、減資することにより大法人から中小法人に区分が変更された時は、その変更された事業年度から、過去から繰り越してきた青色欠損金については「繰越控除前の所得金額100%相当額」損金の額に算入することができると考えられます。

(2)その他留意事項

欠損金はダイレクトに納付税額を減少させるものであることから、デメリットが非常に大きく、これを活用しない手はないと考えられます。しかし、欠損金は使用期限が設けられており、欠損金を使用するには利益を出しておく必要があります。利益を出して青色欠損金を有効活用するには、事業により利益を出すのはもちろん、下記のような対策を打つことにより利益を出すことができます。(ただし、青色欠損金を使用したいという意識から、事実関係に反した会計処理を行うことにより利益操作を行うことは問題でありますから、この点留意してください。)

①貸倒引当金を計上しない
②役員報酬を引き下げる
③費用計上しているものの中に資産計上できるものがないか確認する
④未払い計上している費用について会計処理を変更することにより計上しない
⑤含み益が生じている資産の売却
⑥含み損が生じている資産の売却の延期
⑦生命保険の解約
⑧中小企業倒産防止共済の解約

【参考法令等】

法人税法57条1項、11項

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