概要

法人が役員に対して支給する給与(報酬)は、一定の要件を満たしていなければ損金の額には算入されません。

損金の額に算入される給与として、事前確定届出給与というものがあります。

今回は、この事前確定届出給与について、税務署に届出した支給時期と異なる時期を支給した場合の取扱いについての解説を行います。

Question

9月に役員に対して賞与を支給する決議を当期の定時株主総会において行なっており、その賞与にかかる事前確定届出給与に係る届出を適正に税務署長に提出を行なっていました。
しかし、資金繰りが急激に悪化をしてしまい、その賞与の支給は11月支給になってしまいました。
支給金額は届出を行なった金額と同額ですが、この場合どのような課税関係になりますか。

Answer

届出書に記載された支給時期と異なる支給時期に支給した場合、支給金額が全額が損金不算入となります。

事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭等を支給する旨の定めに基づいて支給する給与で届出を適正に行う等の一定の要件を満たす給与とされています。
このように事前確定届出給与とは、上記の通り、支給時期、支給金額が事前に確定し、実際にもその定めのとおりに支給される給与に限られるのであるとされています。
資金繰りが悪化したという理由はありますが、支給時期が届出と異なっており、事前確定届出給与に該当しないと考えられます
また、定期同額給与及び業績連動給与に該当しないことから、今回のケースの場合、実際の支給額の全額が損金不算入となります。

なお、実務上は数日程度であれば支給時期がずれても問題ないといわれることもありますが、法令上は、届出通りの支給を要求していると考えられることから、届出に記載した日付に支給することが望ましいと考えられます。

【参考法令等】

法人税法34条①二
法人税法基本通達9−2−14

 

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