Question

事前確定届出給与とはどのような給与が該当するのしょうか。

Answer

(1)概要

事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に、下記のいずれかを交付する旨の定めに基づいて支給する給与で、定期同額給与及び業績連動給与のいずれにも該当しない給与をいいます。
 ①確定した額の金銭
 ②確定した数の株式(出資を含む。)
 ③確定した数新株予約権
 ④確定した額の金銭債権に係る特定譲渡制限付株式
 ⑤確定した額の金銭債権に係る特定新株予約権

ただし、事前確定届出給与に該当するには、下記の要件を満たす必要があります。
 ①定期給与を支給しない役員に対して支給する給与(同族会社に該当しない場合に限る。)以外の給与(株式又は新株予約権による給与で、将来の役務の提供に係るものを除く。)である場合 → 納税地の所轄税務署長に一定の届出をしていること。
 ②株式を交付する場合 → その株式が適格株式であること。
 なお、適格株式とは、株式を交付する法人又はその法人の関係法人が発行した株式で、その株式が市場価格のある株式又は市場価格のある株式と交換される株式である場合の株式をいいます。
 ③新株予約権を交付する場合 → その新株予約権が適格新株予約権であること。
 なお、適格新株予約権とは、新株予約権を交付する法人又はその法人の関係法人が発行した新株予約権で、その新株予約権の行使により市場価格のある株式が交付される新株予約権をいいます。

なお、関係法人とは、その給与に係る株主総会等の決議日において、その日から特定譲渡制限付株式の譲渡制限が解除される日までの間、その内国法人と他の法人との間にその他の法人による支配関係が継続することが見込まれている場合のその他の法人をいいます。

(2)届出の期限について

事前確定届出給与に関する届出の届出期限は下記の通りになります。
 ①株主総会及びこれに準ずる決議に基づくもの
   次のうちいずれか早い日
    (イ)その株主総会等の決議日から1か月を経過する日
    (ロ)職務執行期間開始の日の属する会計期間開始の日から4月を経過する日※
     ※申告期限の延長承認を受けている場合には、その延長に係る月数に3を加えた月数を経過する日

 ②新たに設立された法人の場合
   その設立の日以後2月を経過する日

 ③臨時改定事由が生じたため新たに事前確定届出給与の届出を提出する場合。
   次のうちいずれか遅い日
    (イ)①に掲げる日
    (ロ)その臨時改定事由が生じた日から1月を経過する日

 ④臨時改定事由又は業績悪化改定事由が生じたことから、すでに届出を行っている届出の内容を変更する場合
 (イ)臨時改定事由によるもの
  その臨時改定事由が生じた日から1月を経過する日
 (ロ)業績悪化改定事由によるもの
   その業績悪化改定事由によりその届出の内容の変更を行う決議をした株主総会等の日から1月を経過する日
    なお、その変更前の届出に係る事前確定届出給与の支給日が、上記の1月を経過する日より前に到来する場合には、その支給日の前日までに届出を提出する必要がございます。

(3)職務執行開始の日について

役員の職務執行開始の日とは、定時株主総会の決議の日になると考えられます。
基本的に、その役員がいつのタイミングで就任するか等の個別事情に応じて職務執行開始の日を判断することになります。
会社法においては、役員の選任及びその職務執行の対価の決定等が株主総会の決議によって行われること、また、取締役は計算書類を定時株主総会に提出し、その承認を受ける必要があるときていされていることから、役員給与は定時株主総会から次の定時株主総会までの間の職務執行の対価と解するのが相当であると考えられます。
事前確定届出給与も役員の職務執行の対価であり、上記のことからその事前確定届出給与の職務の執行も定時株主総会の終結の時から開始されると考えられます。
したがって、役員の職務執行開始の日とは、定時株主総会の決議の日になると考えられます。

(4)臨時改定事由について

臨時改定事由とは、役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情をいいます。

(5)業績悪化改定事由について

業績悪化改定事由とは、経営の状況が著しく悪化したことその他これに類することをいいます。

(6)事前確定届出給与に係る届出の提出の要否について

特定譲渡制限付株式(将来の役務提供に係るものとして交付されるものに限られます。)を交付することについて下記の定めを行い、その定めに基づいて交付される特定譲渡制限付株式に係る給与については事前確定届出給与の届出を行うことなく、損金の額に算入することができます。
 ①その役員の職務につき株主総会等の決議が行われているものであること。
 ②上記①の決議において、その役員の職務ついて所定の時期に、確定した特定譲渡制限付株式の交付をする旨を定めがあること。なお、この定めは、上記①の決議日から1月を経過するまでに、その職務につきその役員に生ずる債権の額に相当する特定譲渡制限付株式を交付するものに限られています。

【参考法令等】

法人税法34条①二
法人税法施行令69条

  • このエントリーをはてなブックマークに追加