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(1)はじめに

平成30年3月期(2018年3月)の決算・申告作業もそろそろ始まってきているのではないでしょうか。

平成30年3月期において税制改正で影響がある点、決算・申告作業において注意すべき点などを解説したいと思います。

今回は平成30年3月期の決算における、留意・注意点等を解説したいと思います。

なお、基本的に青色申告法人を前提とした解説になります。

(2)決算における留意・注意点

①概要

決算における処理は、その会社の利益額を決定するものになります。

誤った決算処理を行なってしまえば、決算書の数字を元に計算が行われる申告数値も誤ってくることとなります。

そのため、誤った決算処理を行わないよう注意する必要があります。

今回は決算処理の誤りやすい事例や不正事例などの解説を行いたいと思います。

②売上の計上

現金で受け取った売上、期末直前に実現した売上については計上もれがないよう注意すべきです。

現金で受け取った売上は、通帳を経由しないことから、そのまま経営者の懐に入るケースもあるかもしれません。

しかし、この売上は必ず計上すべきものになりますので、会計処理を行い売上として計上するようにしましょう。

 

また、期末直前に実現した売上も当期の売上として計上すべきものになります。

納税額を減らしたいという思いから、翌期の売上として処理することはないようにしましょう。

請求書等の日付の改ざん等を行い、仮装隠蔽した場合には重加算税も課税されることもあります。

③棚卸資産の除外など

売上原価(コスト)について決定をするひとつの要素として期末棚卸資産の計上があります。

売上原価の計算方法は、一般的には下記の通りとなります。

<売上原価の計算方法>

期首棚卸資産 ー 当期仕入高 ー 期末棚卸資産 = 売上原価

 

このように売上原価は算出されるものであり、期末棚卸資産の金額を過大に計上すると利益は過大になり、期末棚卸資産の金額を過小に計上すると利益が少なくなることとなります。

期末棚卸資産は銀行預金等と異なりはっきりと数字が出る項目ではないことから、故意であるかを問わずに金額に誤りが発生する可能性が高い項目になります。

粉飾決算を行う際、期末棚卸資産の金額を過大にしてしまうケースがあるのですが、在庫金額が過大となり貸借対照表上の棚卸資産の金額が不自然となってしまいます。

また、これを解消するためには翌期以降に売上原価として計上する必要があります。

いずれにしても、この粉飾決算は、痛みを先延ばしにしているのにすぎず、また、粉飾決算は絶対に行なってはいけないものであることから、故意に期末棚卸資産の金額を改ざんしないようにしましょう。

 

このケースとは逆に利益を少なくする目的で期末棚卸資産の金額を過小にしてしまうケースがあります。

税務調査において、期末在庫の金額が適正であるかどうか、チェックされる可能性が高い項目になりますので、故意に期末棚卸資産の金額を改ざんしないようにしましょう。

 

預け在庫や積送品がある場合は注意すべきです。

預け在庫や積送品は手元に現物がないことから計上漏れすることが多く、該当するものがないか確実に確認を行うべきでしょう。

 

 

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