当社は飲食業を営んでおり、当社が営んでいる飲食店で使用することができる食事券(商品券)の発行及び販売を行なっています。

この食事券(商品券)について、法人税・消費税の課税関係を教えてください。

・法人税の課税関係

原則として、その食事券(商品券)を発行した事業年度の益金の額に算入することとされています。この場合、期末において未使用分の食事券がある場合には、その食事提供に要する費用の見積もり計上をすることができます。
ただし、一定の処理を行なっていること等を所轄税務署長に確認を受けてることを要件(下記にて解説)に、食事券(商品券)の発行時は前受金処理、食事券(商品券)の使用時に収益計上することが認められます。

 

・消費税の課税関係

消費税は、その食事券(商品券)が使用されたタイミングで課税資産の譲渡等を認識して課税されることになります。そのため、法人税が原則通り、その食事券を発行した事業年度で益金を認識している場合には、法人税・消費税について課税されるタイミングが異なることとなります。

 

(1)法人税の取扱いについて

①原則

法人が商品の引渡し等を約した証券等を発行するとともにその対価を受領した場合における当該対価の額は、その商品引換券等を発行した日の属する事業年度の益金の額に算入することとされています。

食事券(商品券)は「商品の引渡し等を約した証券等」に該当することから、その発行及び販売を行なった場合には、原則として、その発行をした日の属する事業年度の益金の額に算入されます。

②特例

法人税の計算上、原則通りに対応を行う場合、会計上収益を認識するタイミングが法人税と異なることになると考えられます。

そのため、下記の要件を満たす場合には、会計の収益認識時期と法人税の認識時期をほぼ同じタイミングにすることができます。

 

<要件>

(a)商品の引渡し等に応じてその商品の引渡し等のあった日の属する事業年度の収益に計上していること

(b)(a)に関わらず、商品券の発行に係る事業年度終了の日の翌日から3年を経過した日(同日前に有効期限が到来するものについては、その有効期限の翌日)の属する事業年度終了の時において商品の引渡し等が完了していないものについて収益に計上していること

(c)その発行に係る事業年度ごとに区分して管理しているものであること

(d)(a)から(d)要件を満たしていることをあらかじめ所轄税務署長又は所轄国税局長の確認を受けるとともに、その確認を受けたところにより継続して収益計上を行っていること

 

③その他留意事項

商品券、ビール券、食事券などが「商品の引渡し等を約した証券等」該当すると考えられますので、これらの証券を発行している場合には、その取扱いについてはご留意ください。

 

(2)消費税の取扱い

消費税は課税資産の譲渡等について課税されます。課税資産の譲渡等とは「①事業者が②事業として③対価を得て行われる、④資産の譲渡・貸付け及び役務の提供」のことを言います。

食事券(商品券)は、証書を発行する行為であり、法的にみても資産の譲渡には該当しないと考えられます。そのため、その食事券(商品券)を発行したタイミングでは、課税資産の譲渡等に該当しないことから、消費税は課税されないと考えられます。

その後、その食事券(商品券)を使用したタイミングで、課税資産の譲渡等が行われたと認識して、消費税が課税されることとなります。

そのため、法人税の計算が原則通りに発行時に益金を認識している場合には、法人税・消費税の課税のタイミングが異なることになります。

なお、法人税の収益認識について特例の適用を受ける場合、商品券の発行に係る事業年度終了の日の翌日から3年を経過した日(同日前に有効期限が到来するものについては、その有効期限の翌日)の属する事業年度終了の時において商品の引渡し等が完了していないものについて収益に計上することになりますが、この場合も、資産の譲渡は行われていないことから、消費税は課税されないと考えられます。

【参考法令等】

法人税法22条
法人税法基本通達2-2-11、2-1-39
消費税法基本通達6-4-5

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