Question

費用分担契約について、移転価格税制上の関連性を踏まえて教えてください。

Answer

(1)費用分担契約とは

費用分担契約とは、特定の無形資産を開発する等の共通の目的を有する契約当事者間で、その開発活動等において必要となる特定の費用(研究開発費用やマーケティング費用等)を、その研究開発等の活動から生じる新たな成果によって各参加者において増加すると見込まれる収益又は減少すると見込まれる費用の各参加者の予想便益の合計額に対する割合によって分担することをあらかじめ取り決め、当該研究活動から生じる新たな成果の持分を各参加者の分担額に応じて取得することとする契約のことをいいます。

(2)費用分担契約と移転価格税制の適用

法人が国外関連者との間で締結した費用分担契約に基づく費用分担及び持分の取得は、国外関連取引に該当します
そのため、不適切な予測便益割合に基づいた過大な費用支払いは、国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超えることから、移転価格税制の適用対象となり、その支払い金額と独立企業間価格の差額は損金不算入となります。

(3)費用分担額の取り決めの際の留意点

費用分担額をとりきめる際の留意点は下記の通りになります。

①研究開発等の活動の範囲を明確に定め、その内容を具体的かつ詳細に定めること。

②研究開発等の活動から生ずる成果について、全ての参加者が直接的に便益を享受すること。

③参加者が分担すべき費用の額は、研究開発等の活動に要した費用の合計額を、適正に見積もった予測便益割合に基づいて配分することによって決定されていること。

④予測便益を直接的に見積もることが困難である場合、予測便益の算定に、各参加者が享受する研究開発等の活動から生ずる成果から得る便益の程度を推測するに足りる合理的な基準(売上高、売上総利益、営業利益、製造又は販売の数量等)が用いられていること。

⑤予測便益割合が、その算定の基礎となった基準の変動に応じて適切に見直されていること

⑥予測便益割合と実現便益割合(研究開発等の活動から生じた成果によって各参加者において増加した収益又は減少した費用(下記、「実現便益」という。)の各参加者の実現便益の合計額に対する割合をいう。)とが著しく乖離している場合に、各参加者の予測便益の見積りが適正であったかどうかについての検討が行われていること。

⑦新規加入又は脱退があった場合、それまでの研究開発等の活動を通じて形成された無形資産等がある場合には、その加入又は脱退が生じた時点でその無形資産等の価値を評価し、その無形資産等に対する持分の適正な対価の授受が行われていること。

(4)費用分担契約の効果

費用分担契約を締結すると、各契約参加者が開発された無形資産に対して特定の権利を得ることでロイヤリティの発生を回避できるため、源泉税の発生を回避することができます。

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