概要

相続税は人がなくなったことにより、その死亡した人が有していた財産を相続または遺贈により取得した場合に、その取得した財産に対して課税される税金になります。
近年、仮想通貨の取引が盛り上がっていますが、その仮想通貨を被相続人が保有していたことから相続を受けた場合、どのような取扱いになるか疑問が生じることでしょう。
今回は、相続税における仮想通貨の取扱いを解説したいと思います。

先日、父が亡くなり相続を受けました。相続財産の中には仮想通貨が含まれておりますが、仮想通貨は相続税の課税対象となるのでしょうか。

仮想通貨は、相続税の課税対象となると考えられます。

(1)概要

相続税は人が亡くなったことにより、その死亡していた人が有していた財産を相続または遺贈により取得した場合に課税される税金なります。
この場合における財産とは、経済的な価値を有しているすべてのものをいい、仮想通貨も経済的な価値を有していると考えられることから、相続税の課税対象となる相続財産に該当すると考えられます。

(2)仮想通貨の相続評価額

上記の通り、仮想通貨は相続税の課税対象となると考えられますが、その相続税の税額を算出するにあたり評価額を計算する必要があります。
相続税法において相続財産の価額は「その財産の取得時における時価」と規定しており、詳細な評価方法は財産評価基本通達によることとされています。
しかし、その財産評価基本通達には、仮想通貨の評価方法は明示されておりません。そのため、この財産評価基本通達に定める評価方法に準じて評価する必要があります。
仮想通貨は、現金・預金と類似の資産と考え、これらの資産と同じ評価方法を採用するのも一つの手だと考えられます。
外国通貨対顧客直物電信買相場(TTB)又はこれに準ずる相場により評価することとされています。

いずれにしても、何らかの方法により仮想通貨を評価する必要があり、評価方法が明示されていない以上、合理的な方法により評価を行なっていれば、問題はないと考えられます。これは、贈与税の計算を行う場合も同様であると考えれらます。

(3)問題点

相続を受けた仮想通貨は、パスワードが不明等の理由によりに、たとえ相続人であっても引き出すことができないことがあります。この場合、相続税は課税されるが、相続を受けた仮想通貨を使用することができないといった状況が生じることが想定されます。仮想通貨について引き出すことができない場合、その資産を利用することができないため、財産的価値がないとして相続税の課税対象とはならないと考えることができるかもしれません。いずれにしても、この部分の取扱いについて法令上は特段定めがないことから、慎重に検討を行う必要があるでしょう。

なお、国税庁次長は国会答弁において、一般論と前置きした上で「パスワードを知っているかどうか、本当のことを言っているかの判定が困難であり、現時点では相続人がパスワードを知らなくても相続税の課税対象だ」と述べております。

【参考法令等】

相続税法22条
財産評価基本通達5

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