概要
商品の代金を現金・ビットコインのいずれで決済したとしても、会計上・税務上は売上を認識する必要があります。
会計・税金の計算は、基本的に日本円で行われることから、日本円以外で決済を行なった場合、日本円に換算する必要が生じますが、どのような方法により換算をすべきか疑問が生じると思います。
今回は、このようなケースについて解説を行いたいと思います。
当社は小売業を営んでおりますが、代金の決済方法は現金のみでなくビットコインによる決済も導入しています。100万円の商品(消費税込)を1ビットコインで販売しているのですが、この場合の取扱いを教えてください。なお、商品の引渡しと決済は同時に行われ、引渡時の1ビットコインのレートは101万円でした。
・会計上の取扱い
その商品の引渡時に101万円(消費税込)の売上を認識すると考えられます。
・法人税の取扱い
その商品の引渡時に101万円(消費税込)の売上を認識すると考えられます。
・消費税の取扱い
その商品の引渡時に101万円(消費税込)を課税資産の譲渡等として認識します。
(1)会計上の取扱い
ご質問のように商品の代金をビットコインなどの仮想通貨により決済した場合の売上として収益計上すべき金額は、通常の売上と同様に約定した金額になると考えられます。
ご質問の場合ですと、商品の引渡しと決済が同時であることから、商品の売却により収受する仮想通貨を決済時におけるレートを使用して日本円に換算した金額が売上として収益計上すべき金額になると考えられます。
このレートは通常使用している取引所の交換レートを使用して計算することが妥当であると考えられます。
したがって、ご質問の場合の収益計上額は101万円になると考えられます。
・会計上の仕訳
仮想通貨 | 1,010,000円 | 売上高 | 1,010,000円 |
(2)法人税の取扱い
ご質問のように商品の代金をビットコインなどの仮想通貨により決済した場合の益金として認識すべき金額は、会計上の取扱いと同様に、通常の売上と同様に約定した金額になると考えられます。
ご質問の場合ですと、商品の引渡しと決済が同時であることから、商品の売却により収受する仮想通貨を決済時におけるレートを使用して日本円に換算した金額が売上として収益計上すべき金額になると考えられます。
このレートは通常使用している取引所の交換レートを使用して計算することが妥当であると考えられます。
したがって、ご質問の場合の収益計上額は101万円になると考えられます。
・税務上の仕訳
仮想通貨 | 1,010,000円 | 売上高 | 1,010,000円 |
(3)消費税の取扱い
ご質問の商品が課税資産の譲渡等に該当する取引であるという前提の解説になります。
ご質問のように商品の代金をビットコインなどの仮想通貨により決済した場合においても、現金で決済した場合と同様に、消費税を認識する必要があります。
この場合、消費税の計算上課税売上高として認識すべき金額は、会計上・法人税上認識すべき売上高と同様に、通常の売上と同様に約定した金額になると考えられます。
したがって、ご質問のケースですと、課税売上高(税込金額)として認識すべき金額は101万円になります。