Question

家屋が所在する商店街で起きた大火災により、家屋(2,000万円)、自家用車(700万円)が完全に消失してしまいました。
そして、家屋については2,500万円の保険を保険会社より収受しましたが、自家用車については保険がおりませんでした。
この場合の雑損控除の計算方法を教えてください。

Answer

(1) 原則的な考え方

雑損控除の計算にあたっては、損害額や災害関連支出から、保険会社から収受した保険金等の補填金額を控除して、雑損控除の金額を計算することとなります。
そして、雑損控除の対象となる災害には、火災・地震などの自然災害による損害ほか、「人為による異常な災害」も含まれることとなります。

(2) 当事例に関する考え方

火災により生活に必要な資産につき損害を受けた場合には、担税力の減少を考慮してその損失額を所得金額から控除することができるものと考えられます(ただし、損害により収受した保険金等は、雑損控除の計算では損失額から控除されることとなります)。
この点、同一の火災による損害であっても、保険契約の対象となっているものの損害額と、保険契約の対象となっていないものの損害額とは別々に損害額を計算することとなります。
そして、当事例については、具体的には、以下の通り計算することとなると考えられます。

(3) 具体的な計算方法

① 保険加入しているもの (家屋)
損害額 (2,000万円) – 保険金収受額 (2,500万円) = △500万円
② 保険加入していないもの (自家用車)
損害額 (700万円) – 保険金収受額 (0万円) = 700万円

したがって、上記の通り、家屋については最終的に損失が生じておらず雑損控除の対象とはなりません。
また、結果的に生じた差額利益(500万円)については非課税となりますので、逆に課税が生じることはありません。
一方、自家用車については、全額の700万円が雑損控除の対象となります(家屋分の利益が、自家用車分の損失計算に充当されることはありません)

(4) その他留意事項

災害減免法に基づく税額控除を選択することもできる可能性がありますので、もしどちらの制度も適用することが可能な場合には、どちらの制度を利用した方が有利となるかを事前にシミュレーションすることが大切です。
「雑損控除」は控除しきれない場合には3年間繰越すことができるのに対し、「災害減免法」による軽減免除については、その損害を受けた年しか受けられないため、この点も十分に考慮する必要があります。

【参考法令等】

所得税法2条①27
所得税法72条①
所得税法9条①17
所得税法施行令9条
所得税法施行令30条

 

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